遠距離恋愛(5)
(4)の続きです。
とうとう恋人に会いに行く日がやってきました。
辛くて痛い気持ちはあるものの、やはり一ヶ月以上ぶりに会える嬉しさももちろんありました。
決断をすると決めているけど、決断することが怖い気持ちもありました。
別れることになったとして、恋人と離れることに耐えられるのか?付き合いを続けるとして、現状のような関係を続けることができるのか?
どんな決断を下すにしても後悔だけはしないように行動しよう。今回が最後だとしても、二度と会えないことになっても後悔しないように。
でも、私自身別れ話をすることになるだろうと考えていましたし、別れることが私にとって一番いいことであることも感じていました。
親友に支えられてここまでくることができました。客観的に私がどんな状況にいるのか、恋人がどんな人間であるのか、そして朝も夜も関係なく私のことを支え、励まし、諭して、正しい道を示してくれていました。
親友がいなければ、きっと今頃ズタズタに傷つきそれでもまだ好きだと言い続けていたかもしれません。
話が逸れてしまいましたが、親友がいてくれたから私はそんな悲惨な状況にはならずにすみました。
親友のことは、また別の機会に書きたいと思います。
恋人が待つ空港に到着して一ヶ月ぶりの再会は、やはりお互いに少し照れがあるのかなんとなくぎこちない感じでした。
この時もしばらくしたらいつも通りになりましたが。
この日は遅い時間に着いたこともあり、ホテルの近くで夕ご飯を食べただけで終わりました。
LINEや電話じゃなく、手の届く距離にいる現実は本当に嬉しかったです。
翌日は恋人が立ててくれていたプランで過ごしました。
ドライブしながら恋人が普段過ごしている場所を巡ったり、名所へ連れていってくれたり、普段できない恋人らしいことができた日です。
でもそんな時でさえ、この近くが前の人の家があるところだと言われたり、前の人からもらったアクセサリーをしていたり・・と悲しい思いもさせられました。
アクセサリーに関しては、数少ない会える日に前の人からもらったものをしてきていました。
私が気がつかないと思っていたのかな。
指摘したところで、身につけてくることをやめてくれませんでしたけど。
そんな感じで悲しい思いもさせれましたが、でもとにかく後悔しないよう楽しみました。(アクセサリーの件で少し不穏な空気になりましたが・・)
そして翌日帰るという日の夜。
私は話を切り出しました。
私の口から出た言葉は「別れようか?」でした。
いきなりでしたし、納得してくれるはずもありません。
いくら話しても平行線でしたし納得してもらえなかったので、「じゃあ、友達として付き合っていこう」って言いました。
お互いが大切な人であることは事実なので、「それなら縁を切る必要ないしずっと繋がっていられる」と。
これで納得してもらえました。
そして、「私が飛行機に乗るまでは恋人同士だよ」って。
翌日は飛行機の時間が早かったのでゆっくりしている時間もなく、あっという間に時間が過ぎました。
空港で恋人と別れる時、もう会えないだろうなって感じました。
そんなことを感じながら離陸直前までLINEをかわし、空港の屋上から見送ってくれている恋人を見つけ、すごく泣きたい気持ちでした。
恋人の地元で会ったこの時が、一番私のことを想ってくれていると心から感じられたから。
沖縄に着き、部屋に戻るなり泣きました。
私のことを好きでいてくれるのに、それでもなぜ私を選んでくれないのか?
それならなぜ、付き合っている人がいながら私に告白してきたのか?
ただ、ぬくもりや安心感が欲しかっただけなのか?
いろいろ考えては涙が次から次へと流れてきました。
親友が、「もう連絡絶ちなよ」って。
そして私は決断しました。
夜電話で話がしたいと恋人にLINEを送りました。
そして、電話で連絡を絶つ話を切り出しました。
そしたら、やっぱり「なんで離れなきゃいけないのか?恋人でなく友達なのに?」
私は管理栄養士の国家試験を控えていましたし、勉強に集中したいとも言いました。
「それなら、試験が終わってから結論でもいいんじゃない?」とまで言いだしました。
恋人は自分のことしか考えてなかった。
自分に与えられているぬくもりにずっとくるまっていたかったんでしょうね。
口では私のことを想って心配してるみたいなことを言いますが、結局私の想いなんて考えることもなく。
言葉と行動が一致していないのが何より物語ってますよね。
前の人と縁を切れてないんだから。
電話で話をしても埒があかないし、恋人はまだやることがあったので電話を切りました。
そして、LINEで再度連絡を絶つこと、電話には出ないことを伝えました。
しばらくして恋人からLINEで返信がありました。
いくら離れることに納得できなくても、私が答えを変えることはないと感じていること、恋人は納得できていないけど、そうするしかないことはわかってくれました。
そして、私に会えてよかったと。こんなにも自分を見てくれる人はいなかったと。
(6)に続きます。
信じられないことに、それでもまだ私は恋人のことが好きだったんです。