遠距離恋愛(6)
(5)の続きです。
恋人を好きな気持ちは相変わらずありました。
ひどいことをされ続けてとても傷ついたし、先の見えない恋愛でした。
でも、前の記事でも書きましたが好きな気持ちが強過ぎて、嘘をつかれても言葉と行動が一致していなくても前の人と繋がっていようと、最終的には私を選んでくれる、私と一緒にいてくれると心のどこかで信じていました。
裏切り続けられていたのに。
連絡を絶って数日後、恋人から腕時計が送られてきました。
別れ話の直前に手配していたようでした。
連絡を絶ってからの数日間だけでも、本当に胸が痛くて苦しくて涙もとめどなく流れ現実感が薄く、「虚無感」に占められていました。
そんな時に送られてきた腕時計。
すぐ、お礼が言いたいから電話してもいい時間を教えて欲しいとLINEをしました。
ちょうどその時期に恋人が住んでいるあたりで自然災害があり、すぐにもう一度LINEを送りました。
大きな被害はなく、仕事が終わってすぐに返信をくれて安心しました。
その日は電話しませんでしたが、翌日に電話で数日ぶりに話をした時会話も弾むわけはなかったけど、話しができて嬉しかった。
声が聞けて嬉しかった。
そして、最終的に友達として連絡を再開することに決めました。
形は変わってもお互いを大切に思う気持ちは変わらないと思っていたから。
でも、結局はお互いが友達としてでも繋がっていたかったんだと思う。
離れるということがやはり現実味がなかったし考えられなかったんだと思う。
たとえ連絡を絶っていたのが数日間だったとしても。
結局はお互いの未練が、「友達」という便利のいい言葉で繋がっていることにしたんだけど。
でも、恋人には前の人の存在が当たり前にあるわけで、でも恋人と私は「友達」だから何か言えるわけでも聞けるわけでもなくて。
「友達」という関係に縛られて身動きがとれなくなっていました。
友達関係に私自身苦しい思いがするから、恋人に「片思い宣言」をして、私の想いは伝えました。
友達になりたいけど今はまだなれないからって。
恋人同士ではないし、恋人の気持ちを縛ることなんてもちろんできるわけないし、してはいけないけど、私自身の気持ちをスッキリさせたかった。
宣言をした時は、恋人は笑って受け止めてくれました。
受け止めてくれただけで、もちろん友達のままですけど。
恋人と繋がっていても離れていても苦しい想いは変わらなくて、やっぱり連絡取らないほうがいいのかな?って私自身本当に気持ちが揺れすぎていて、とにかく苦しい気持ちを自分の中から取り除きたかった。
自分の気持ちから逃げ出したかったんでしょうね。
何をしても答えは変わらないし、それなら自分が決めた方で頑張るしかないと親友にも励まされ、いくら苦しくても現状を続けていくしかないと自分に言い聞かせました。
でも、この頃あたりになると私も恋人のことをもっと客観的に見ることもできるようになっていて、冷静になってきたというか、目が覚めてきたというか・・・。
好きな気持ちはもちろんありましたけど、今までされてきたことや私がいくら好きでも恋人は変わることがないだろうと感じたこと、未練だけで繋がっていたかったんだと気がつきました。
そして、好きだけど決定的に愛想をつかす出来事があり、私は今度こそ本当に連絡を絶つ決心をしました。
LINEはブロックしTwitterもブロック、着信・メールも拒否にしました。
そして、恋人からもらったものを全て送り返しました。
もちろん、最後にもらった時計も。
スッキリしたけど苦しいという矛盾した気持ちの中で日々を過ごしました。
でも、この時はまだLINEのやりとりも写真も連絡先も消すことができなかった。
消してしまいたかったけど勢いで消して後悔はしたくなかったので、自分の気持ちが整理できた時に消そうと決めました。
LINEのやりとりを見るだけでも心臓がバクバクして苦しかった。
写真なんて見れるわけもなく、でも消せもせず。
私自身の誕生日が近づいてきた時には、なんとかして連絡があるんじゃないかとか、いろいろ考えていました。
あるわけないし、あったとしたら相当な度胸の持ち主ですよね。
でも、いろいろあってもまだ好きな気持ちはあったので期待してしまってたんです。
数ヶ月経っても、「もしかしたら連絡をくれるかもしれない」、なんてことを考えていました。
さらに数ヶ月たち私の気持ちも整理できて、やっと恋人に関するものを全て消去することができました。
あんなにひどいことをされてもここまで好きでいられたのは何故なんだろうって思います。
何がそんなに魅力的にうつっていたのかもわからないけど、その時は本当に大好きでしたし、何をされても好きな気持ちは消えなかった。
人を好きになるってこういうことなんだと、少しはわかった気がします。
フィルターがかかってしまって、全て良い方に解釈してしまうんです。
親友に言わせると、恋した相手が悪かった、と。
私も本当にそう思います。
後付けになってしまうけど、人を見る目を養われたのかなと思います。
いくら良い言葉を並べても、行動が伴っていなければそれは「嘘」。
弱さに挑戦し、未練や情に流されず、自分の人生を生きていかないと。